宗教法人は収益事業でも印紙税は非課税になるのか?

 

宗教法人が行う収益事業に印紙税がかかるのでしょうか。以下、解説していきます。

1 印紙税とは

印紙税とは、不動産売買契約書、土地賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書など印紙税法別表第一に該当する文書自体を課税物件として、その文書の作成者に付加される税金です。

2 納付方法

納付方法は作成文書に収入印紙を張り付けて消印(収入印紙としたの文書にまたがるように印を押します。)する方法で納付したことになります。収入印紙の金額は文書に記載されている金額により異なってきます。金額の記載がない場合は200円の収入印紙を貼って消印することになっています(詳しくは国税庁ホームページのコチラをご覧ください)。

3 宗教法人がよくかかわる印紙と課税

(1) 領収書

領収書はたとえ収益事業に関するものであっても「営業に関しないもの」として非課税になっています。そのため宗教法人が発行する領収書は全て収入印紙が不要となります(印紙税法基本通達別表第一第17号文書)。

(2) 土地賃貸借契約書

月極駐車場などを併設している宗教法人はよく見かけますが、駐車場の貸付も土地賃貸借契約書になります。土地賃貸借契約書は課税対象になりますので収入印紙を貼る必要があります(同通達別表第一第1号の2文書)。

(3) 墓地使用承諾書

墓地使用承諾書は、宗教法人が墓地の永代使用を承諾し、使用者が使用料を支払うことを約する文書であることから、土地の賃借権の設定に関する契約書として課税対象になります。

(4) 建物賃貸借契約書

建物賃貸借契約書は印紙が必要になる場合とならない場合があります。それは保証金の記載の有無によります。保証金に関する記載が建物賃貸借契約書に記載していれば印紙が必要となり記載していなければ印紙不要となります(同通達別表第一第1号の3文書7)。

4 過怠税

課税対象とされる文書に印紙を貼らなかった場合、貼るべき印紙税額の3倍の過怠税が課されます。収入印紙を貼ったけど消印しなかった場合は、貼るべき印紙税額と同等額の過怠税が課されます。

5 電子契約書

昨今のデジタル化に伴い、契約書も電子契約を利用する場合が増えてきています。宗教法人の場合は、高齢の個人の方とのやり取りが多いので電子契約の導入は難しいかもしれませんが、これからは電子契約を取り入れる宗教法人もでてくるのではないかと思います。電子契約は「データ」であり「文書の作成」ではないので収入印紙は不要となります。
本堂や庫裡の修繕など、多額の費用を要する契約には、事業者側に電子契約で対応してもらえると印紙代節約になります。
現状は非課税ですが、電子契約の普及が進むと、将来的には印紙税の対象とする法改正がなされる可能性があるかもしれません。

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