墓地納骨堂に関するトラブル対策で最も重要な事とは

墓地・納骨堂に関するトラブルは、大きく分けると業者とのトラブルと利用者とのトラブルがあります。以下、場合に分けて述べていきます。

 

1 業者とのトラブル

過疎化や少子化により、お寺の収入が減り、なんとか収入源を確保しようと考えるお寺に対し、色々な商売を持ち込む業者がいます。
業者の中には、きちんと利益をもたらしてくれる業者もいますが、中には自社の利益のみを優先する業者もいます。

例えば、地方の人口減少が著しい地域にあり将来の経営に不安を感じているお寺に、「今、終活ブームなので納骨堂を建てませんか」と持ち掛けるケースがあります。

考えて頂きたいのは、業者とお寺では収益が生まれるポイントが異なるということです。

例えば、この業者が建設業者であれば、新たな納骨堂を建設し引き渡した時点で、お寺から建設費としての報酬が貰えます。仏具店であれば、納骨壇を納品した時点で報酬がもらえます。

一方、お寺はどうでしょうか。実は、この時点においては、お寺にはまだ何も収益が出ていません。
しかし、業者への支払だけは先に必要となってきます。お寺に収益がもたらされるのは、実際に納骨の申し込みがあった時点です。
極端なことをいうと、これら業者には、先々、納骨堂を利用する希望者が現れようが現れまいが、業者の利益には直接の影響は何もないといえます。

では、地方の人口減少が著しい地域において、新たな納骨堂を建設したとしても、納骨希望者がどれぐらいいて、どれほどの申し込みが見込めるでしょうか。
それだけでなく、お寺は、遺骨を預かった以上、永続的に供養や管理を行っていく必要があります。

きちんとした業者であれば、そのあたりのことも考慮して計画したうえで実行していきますが、このことを考慮してくれない業者と取引をしてしまうと、建設費は捻出したけど、手元に利益は残らず、それどころか、管理業務だけが残されてしまいます。

この段階で損することに気が付いても後の祭りです。将来の管理のことまで考えた収支を見込み、しっかりと事前計画を行う必要があります(このような観点から考えると、地方公共団体によっては、墓地等の経営許可申請の提出書類に、利用希望者数(名簿)や収支計画書などの書類の提出が求められることがありますが、収益を見直すきっかけとなるという一定の意味もあると考えます)。

また、霊園開発などで、管理業務を委託した業者が、地域の慣習を無視して、利用希望者募集の広告を大体的に行い、周囲のお寺との関係が悪化してしまったというケースもあります。

自社の利益のみを優先する業者に捕まってしまった場合、お寺の問題だけでなく、仏さんのご供養にも影響がでてきます。そのため、業者との間で契約を交わす場合は、事前計画、収支や契約の内容などについて、責任役員や総代とよく話し合い、場合によっては専門家を交えて確認していく必要があり、慎重に進めていかなければなりません。

2 利用者とのトラブル

一般的な商取引では、申込者と利用者は同一であることが多いのですが、墓地・納骨堂の場合、生前申込であれば、申込者が利用するときはお亡くなりになられたときなので、納骨等のやり取りについては祭祀承継者と行うことが必要になってきます。

これを寺院の側から見ると、申込を受けた方(檀信徒)とは人間関係を築いていたとしても、祭祀承継者となる子供達のことはよく分からず、場合によっては、顔も見たことがないというケースも出てきます。親には伝えていたことが子供は全く知らなかったということも十分考えられます。食い違いが起こらないように、大事な取り決めについては書面をかわしておくことが有効となります。

また、多くの方は、お墓参りを怠ることなく先祖を大事にしています。しかし、なかには、先祖供養に関心がない、又は、日々の生活に追われ、お墓参りに行くことができず、疎遠になっていく方もおられます。

この状態が長く続くと、管理料を長年滞納される、祭祀承継者が誰か分からず行方不明となることがあります。一時預かりの遺骨をそのまま引き取りにこないケースもよく聞きます。
他にも、祭祀承継者が宗旨替えした場合の典礼方式の問題や、遺骨を巡って寺院が相続トラブルに巻き込まれる、参拝時における参拝者と近隣住民とのトラブル(迷惑駐車、渋滞、騒音)など、墓地・納骨堂には、多くの人がかかわるため、その運営には、様々なトラブルがつきものです。

これらに対応するには、墓地・納骨堂に関する管理規則を整備し、管理体制を整える必要があります。

墓地納骨堂管理規則の作成ポイントを知りたい方はコチラ

3 墓地・納骨堂管理規則の作成

墓地等の設置経営許可を申請するときは、通常、墓地等の管理規則を作成し、申請先に提出する必要があります。墓地等を経営する寺院の多くはこの管理規則を用意しています。

しかし、その中身はいかがでしょうか。筆者の経験上、お寺の方に、お持ちの管理規則を見せて頂くと、ほとんどが不完全な内容のものとなっています。見せて頂いた方に、「これはどうやって作ったのですか」とお尋ねしてみると、「知り合いのお寺が持っていたものを見せてもらい真似をした」、「ネット上に公開されているものを応用した」「先代からのものをそのまま使っている」など様々です。

すなわち、ご自身でオリジナルに作成したという方はほとんどいませんでした。たまに「行政書士にお願いした」という方もおられますが、行政書士・弁護士といった専門家であっても、墓地・納骨堂の運営実態に詳しいかどうかは別問題です。

墓地等に詳しい専門家でないと、どういった点を意識して作成していけばいいのかが分かりかねます。「こういった条項は入れておいた方がいいですよ」というアドバイスも経験がないと難しいです。
また、用語の意味が分からず意思疎通がスムーズにいかないため、お寺側が意図したとおりの管理規則を作るのにストレスもかかります。その結果、「かゆい所に手が届く」内容の管理規則の作成は難しくなるといえるでしょう。

墓地等の管理規則は、トラブルや問題が何も起こらなければ出番は少ないです。しかし、何か起きたときに役に立つから、管理規則をきちんと作っておく必要があります。

そのようなことを考えると、インターネットなどで探したひな形をそのまま使うことの怖さに気が付かれると思います。インターネット等で探せるひな形は、もともとあった定型的なひな型を、掲載した人が使いやすいように文言を変えて実際に使ったものを載せていることがあります。

それを、さらに自分の使いやすいように変えていくと、たいていはどこかで矛盾する内容の管理規則になってきます。その管理規則では、いざという時に自分を守ってくれません。管理規則の作成については、ご自坊を守る必要なコストと考え、寺院法務に詳しい専門家へのご相談をお勧めします。

 

4 まとめ

当事務所では、墓地納骨堂管理規則の作成サポートを行っております。未然にトラブルを防止するため、各寺院の現状をヒアリングのうえ個別具体的に作成しております。また、改正民法に対応した契約約款の条項を盛り込むなど、全国でも数少ない専門家であると自負しております。墓地納骨堂の事でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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