納骨堂の建築確認は納骨堂の経営許可に必要か

新たに納骨堂を建てる場合、建築確認は必要でしょうか。また、新たに建てるのではなく既にある建物を利用して納骨堂を始める場合はいかかでしょうか。

建築確認とは

建築確認とは、新たに建築物を建てる場合にその建築物が建築基準法が求める基準を満たしていたるかを確認するものです。建築基準法が求める基準とは、建ぺい率や容積率といったその地域で建てることができる大きさの基準や、耐久性といった構造上の基準などがあります。

これらの基準は、建築物を建築しようとする場所によって異なっており、基準を満たしているか否かは自治体等で判断されます。建築確認が必要となる建築物も、場所によってことなりますが、納骨堂を建築する場合は基本的には建築確認が必要になってくるでしょう。

新たに納骨堂を建てる場合

納骨堂を建てる場合、基本的には建築確認が必要になります。ではその段階で建築確認を取る必要があるでしょうか。納骨堂の経営許可は、中核都市以上であれば市が担当になります。納骨堂は衛生環境の問題から自治体ごとに許可に必要な書類が異なってきます。

そのため、建築確認が必要となってくる時期も自治体ごとで異なりますが、少なくとも着工前には自治体との事前協議が必要となっています。

既にある建物を利用する場合

新たに納骨堂を建築するのではなく、例えば本堂の一部を利用するなど既にある建物を納骨堂として利用する場合、本堂などは古い建物であることが多く建築確認がない建物も存在します。

その場合であっても、納骨堂の経営許可を取るためには建築確認の提出がもとめられるとお考えください。大事なご遺骨をお預かりするという納骨堂の性質上、耐火性の建築物であることが求められます。建築確認の書面が手元になくても、役所の建築家などに行くとかなり古いものでも記録が残っていますので、一度、役所の方にお問合せしてみてください。

建築確認あれば納骨堂経営ができるわけではない

建築確認はあくまで、この場所にこの構造の建築物を建てても法律上はいいですと意味です。これと納骨堂の経営許可は全く別物です。なので、建築確認が取れたからと言って、自治体と相談することなく建築に着工して納骨堂を始めるということはおやめください。

納骨堂の経営許可の代理申請は行政書士の独占業務

納骨堂を建築する会社のサイトなどを見ていると、納骨堂の経営許可も当社で代理申請しますとの文言が見られます。しかし、納骨堂の経営許可の申請は行政書士の独占業務です。

代理申請する会社が行政書士を紹介して住職から直接行政書士に依頼するのであれば問題ありませんが、そうでない場合は行政書士法違反になる可能性がありますのでご注意してください(行政書士法第1条の219条)。

まとめ

新たに納骨堂を設置する際、あるいは既存の建物を活用して納骨堂とする場合、建築確認の要否と納骨堂の経営許可は、事業を円滑に進める上で不可欠な要素です。

新規に納骨堂を建築する際は、原則として建築確認が必要であり、着工前には自治体との事前協議が求められます。また、既存の建物を納骨堂に転用する場合でも、建築確認の提出が求められると考えるべきです。

これは、ご遺骨を預かるという納骨堂の性質上、耐火性などの安全基準が重要視されるためです。建築確認の書類が手元になくても、役所の建築課で古い記録が残っている場合があるので、まずは問い合わせてみましょう。

しかし、建築確認が取れたからといって、すぐに納骨堂経営ができるわけではありません。 建築確認はあくまで「その場所にその構造の建築物を建ててもよい」という確認に過ぎず、納骨堂の経営許可とは全く別のものです。自治体との綿密な協議なしに建築に着工し、事業を始めてしまうと、後で大きな問題に直面する可能性があります。

加えて、納骨堂の経営許可申請は行政書士の独占業務です。建築会社などが代理申請を謳っている場合でも、直接行政書士に依頼するか、行政書士が関与しているかを確認することが重要です。行政書士法に違反する可能性もあるため、注意が必要です。

納骨堂の設置・運営は、建築基準法と墓地埋葬法という二つの法律が深く関わる複雑なプロセスです。法令を遵守し、専門家と連携しながら慎重に進めることが、トラブルを避け、安定した運営を実現するための鍵となるでしょう。

お寺の運営上必要な
手続きをサポート!

お気軽にお問い合わせください

電話でのお問い合わせ

078-779-1619

お問い合わせ